子供には関係ない

根気のないプロレタリアート。

今年度ベストディスクPUNPEE『MODERN TIMES』

別に毎年度選出しているわけでもないけれど……
MODERN TIMES

MODERN TIMES

あまりにベタなため、わざわざ挙げるのが憚られるものの、PUNPEE『MODERN TIMES』に決定です。これはもうしょうがない。

何も、リアリストを気取るつもりではないけれど、私は本来、ロマンチックなものは受け付けないタチである。嘘くさく思えるからである。正直なところ、バカなんじゃなかろうか、と思ってしまうことさえしばしばである。
しかしこのアルバム、私の苦手なはずの、ロマンチシズムでムンムンであるにも関わらず、実に最高なのである。
つまるところ、それはPUNPEEだからこそであろう。彼の作る音楽のロマンチシズムには嘘くさいところがなく、彼が本当に根っからロマンチックな人物なのだと思わされる。アルバム全編にわたって横溢するロマンチシズムは、むしろ、嘘をつかずに内面を晒して制作している証左であり、楽曲を聴いていると彼の誠実さが透けて見えてくるようなのだ。だから好きだ。
(元ゆらゆら帝国坂本慎太郎のソロ作品にも通じる精神性を感じる。)
まあ、あまりあれこれ語るのも野暮である。PUNPEEの粋なロマンチシズムに敬意を表し、野暮ったいレビューはやめにしよう、と思ったが一つだけ、PUNPEEの楽曲の私が特に好きな点。PSGの『David』でもそうだったけど、低いドラムのゴトンゴトンと鳴る音。丸っこくて芯の硬く締まった音が気持ちいい。PUNPEEが数曲参加しているRHYMESTERのアルバムでも、その特徴的な音は聴ける。
あ。あと、鼻から抜けるようなヘロヘロした発声のラップも可愛い。それにアートワークもイカしてるし素敵、素敵すぎるよね。ああ、野暮ったいくらいに喋りまくりたい。語りまくりたい。最高過ぎて超最高。

David

David

Bitter,Sweet&Beautiful

Bitter,Sweet&Beautiful