子供には関係ない

根気のないプロレタリアート。

このごろの日本のポップ音楽(私見ばっかり)

このごろ聴いている音楽の話。

 

以前は日本のミュージシャンの音楽よりも洋楽を聴くことの方が多かったのだけど、というのも単純に日本のCDは値段が高いからね。RADWIMPSのアルバムが3000円、レッチリのアルバムが輸入版で1500円、さあどっち買う?となったらレッチリ買っちゃうのが人の性ってものだ(この二つのバンドを比較したのに他意はないですよ。RADWIMPSレッチリ好きって聞いたような気がしたので)。映画館の入場料金しかり、日本の娯楽文化の中では中抜き業者がいかに幅を利かせているか、ってことでしょうかね。知らんですけども。たぶん私が日本のバンドで、新譜を待望して発売当日に買っていたバンドは、ゆらゆら帝国東京事変くらいだ。どっちも解散してるし。髭-HIGE -とチャットモンチーはちょくちょく聴いてたが。学生時代に流行ってたスーパーカーとかくるりはあんま好みじゃなかったしな。

 

 

まあそんなのはどうでもよくて、2、3年前くらいから、わりと日本の音楽を聴くようになったという話がしたかったのだ。といってもバンドではないが。洋邦を問わず、バンドものはもうほとんど聴かなくなってしまった。

確か、有線でAKLOの曲を聴いたのがきっかけだった気がする。曲はたぶん「Break the Records」だったかしら。

日本のヒップホップの盛り上がりと同期して、日本のポップミュージック全般のクオリティも上がってきたように見える(……っていう言い方はマズイよねやっぱり。クオリティの高いことをやってる人はずっと以前からいたのだろうし。ただ単におれの好みの音楽が増えてきたか、或いは、好みの音楽が俺の目につきやすくなってきた、というだけのことだもんね。主観でごめんよ)。

ともかくそうなってきたのは、歌のメロディだけでなく、リズムやグルーブ、また楽器や打ち込みドラム、サンプリングの音色までも踏まえて音楽を聴くのが当たり前になったからであろう。つまりはリスナー側が変化したということ。

というよりもそういう視点を持たない人は娯楽として音楽自体をほとんど聴かなくなったという側面も大いにあるだろう。今どきの子たちはカラオケとかあんまり行かないらしいしね。だから変化、ではなく、淘汰、というべきかもしれない。

そうした、リスナー人口の減少は無論、シーンの縮小にも繋がるが、まあ全般的にクオリティが上がってきた(という言い方をさせてね、ここではとりあえず)とはいえ、いまだにしつこく存在している不快な音楽が街で垂れ流される機会も少なくなってくると考えるなら、一長一短である。

話が逸れた。リスナーの多くがヒップホップを楽しみ得る耳を持ったことは、ヒップホップ以外のジャンルの音楽、例えば、Suchmosのようなバンドの楽曲が〝当たり前に〟かっこいいものとして受け入れられる要因となったのだと思う。

何しろアイドルが〝当たり前に〟ラップする時代である。しかも超イカしてるし。(これに関してはそれこそ、おれがE TICKET PRODUCTIONにハマってるってだけなんだけど)

そういえばアイドルのラップという意味だと、古くはDA PUMPのラストサビ前のラップパートとかもあったけど、その辺にまで言及し出すとキリがないんで今回は避けます。

ところで先日、フリースタイルダンジョンの司会の人(UZIっていうラッパーさんらしいですね)が大麻所持で捕まったという事件を受けて、多くの音楽リスナーが感じたであろう通り、私としても「あーらら。もったいな」と最初は感じたのだけど、よく考えると、自分がヒップホップで興味深いのは、トラックとラップ(あえてしかつめらしく言うと、詞の韻律)がどう絡み合って作品を形作っているか、という部分であり、昨今流行の、フリースタイル即興ラップ対決、みたいなものは正直くだらないと思っているので、別に件のニュースもどうでもいいことだった。いや、Creepy Nutsとかは好きだけど。音源が良いから。

尚、先に『日本のヒップホップの盛り上がりと同期して、日本のポップミュージック全般のクオリティも上がってきたように見える』と書いたが、あえて〝同期して〟いうふうに表現したのは、あくまでも、日本の音楽シーンをヒップホップが〝牽引している〟とまでは考えていないからだ。私はそこまでヒップホップ贔屓ではない。

ひと昔以上前か、キックザカンクルーとかリップスライムとか売れまくってたけど、やはり当時はまだ、ラップという歌唱法が当たり前のものにはなっていなかったように思うし(日本のポップスチャート内ではやはり異端扱いだったのではないか)、それよりもっと以前の日本語ラップにいたっては「なくなくなくなくなくなくな〜い」とかさ、今となっては恥ずかし過ぎるだろ。聴いているこっちが赤面を禁じ得ない。まあそのダサさにも自覚的であったのであろうけど(なにしろ当時の日本のヒップホッパーってみんなインテリなんでしょ?)、しかしダサいもんはダサいので仕方ない。当時たぶん私はまだ幼稚園児だか小学校低学年くらいで、その頃の音楽シーンに明るくないのであんまり下手なことは言えないけど。

 

取り留めのなさが目に余るので、最近買った邦楽アルバムを1枚紹介して、そろそろいい加減、この記事の締めくくります。

ヒップホップでもロックでもないんだけど、〝spoon +〟というユニット?、というかプロジェクト?の『Dress』というアルバムである。

私はつい先月くらいまでspoon +のことを全然知らなかったのだが、『Dress』はもう4作目のアルバムだそうで、職場の有線で「キングとジャックは取り込み中」という曲と「アイマイベイビ」という曲が近頃よくかかっている。それで知ったのだ。(私はいまだに有線から音楽の情報を仕入れることが多い。旧い人間なのである)

spoon +がどんな音楽をやっているミュージシャンなのかということを、ひどく大雑把に言うと、きゃりーぱみゅぱみゅCHARAをかき混ぜて水曜日のカンパネラのサブカル臭を全体にまぶした感じ、な音楽である。俺ぁ実は弱ぇんだ、こういう過剰にあざといガーリー感によ。

そうそう、私と同世代の人なら憶えてる人もけっこういるはずだけど、昔のクレヨンしんちゃんのアニメのエンディング曲に「月灯りふんわり落ちてくる夜」というのがあって、(私が当時小学生だったので、現在30歳前後の人はわかるんじゃないだろうか)、幼心にもキュンキュン切なく沁みる名曲だった。なんか泣きそうになるんですよ、あの曲。で、あの曲とspoon +の「アイマイベイビ」って何となく雰囲気が似てると思ってたら、「アイマイベイビ」もテレ東のアニメのエンディングテーマに使われているらしい。

そういったわけで、spoon +のアルバム『Dress』(初回盤CDの仕様も洒落てるね)と、クレヨンしんちゃんのいつだかのエンディング曲「月灯りふんわり落ちてくる夜」、おすすめです。

 

Dress

Dress

 

 

思いつきで記事を書いて、まとまりがないのはともかく、だらだらと長くなるのは考えものですね。