子供には関係ない

根気のないプロレタリアート。

ナショナリズム

見慣れない道を選んで、見覚えのある通りに出てしまった。
第六感が冴え渡る、僕の望まない方へ。
二人組の五厘刈りの警官。
恨めしげな顔をしている子連れの女。
大空を夢見る中年。

とにかく人気の無い方を選んで歩いて来たのに、既視感、なんかじゃなくて知っている。この怨念に塗れた家も。

こんな日の晩は大概、いつにもなく、
母国語が愛おしくなるんだ。
DJ左手、今晩は言葉の分かる歌を流そう。分かるだけだけど。

きっと絶対に前よりも強くなっているはずだ。僕だって無為に寝起きしていたわけではないのだから。
こんな生活を早く抜け出したい。そう思う心境は割合に心地良いものだから、まったく、手が付けられないね。

何ら、伝えたいなんて思えないから、言葉遊びで嗾けているんだ。
君には本当に脱帽だ、失望したよ。
こんなふうに。
友達になってよ。
こんな夜は決まって、いつにも増して、
母国語が愛おしくなるんだ。
そこに込めた想いは届かないけど、そこに纏わるものなら、或いは。