子供には関係ない

根気のないプロレタリアート。

文芸

[作文]政治の話はしたくない、と駅前で。

男が小脇に携えている色紙の束、その十数枚の色紙すべてに、以下のような文言が、まずい肉筆で、一言一句違わずに書かれていた。「『政治の話はしたくない』政治の話はしたくない自分が無知だとバレるから政治の話はしたくない思想がないってバレるから政治…

映画版『震える舌』−小説の実写映画化と文芸作品の活路–

長編小説を、上映時間2時間ほどの映画にしようとするのなら、やはりどうしても、原作に描かれているパートをいくらか削ることになるだろう。一字一句すべてを映像化しようと試みていては、2時間そこらではとても収まらないはずだ。 作り手の意図により、あ…

小説『震える舌』−媚びとサービス。物を書くこと−

※今どきの小説が苦手だ、などというとジジイ扱いを受けるだろうが、一応私はまだ二十代だ。ギリギリだけど。 そして、ほんとのジジイになったあとで「今どきのなんたらかんたら」などという話をしては、あまりにみじめであろうから今のうち、つまり、実年齢…

ジャズと文学

『スウィングしなけりゃ意味がない』という佐藤亜紀の小説がある。おれはてっきり村上春樹の『意味がなければスイングはない』(だっけ?なんかあったよねそんな本。読んでないけど)のパロディでつけたタイトルなのかと思っていたんだけど、よくよく調べて…

佐藤亜紀『天使』の書評……をするには私はあんまりオツムが足らないけどでもそれ以外でがんばる

佐藤亜紀の『天使』を読んだ。氏の著書を読むのは今作が初めてだ。一か月くらいかかってようやく読み終えた。私は実に無学なることけたたましく(要はとってもアホなので)、通読するのに非常に苦労した上、おそらく、物語の内容の半分もまともに理解できて…

反現場主義宣言-はじめに-(1-②)

そもそも、私の掲げる反現場主義などという主張は一体どういった必要により生じるものか、そこからまず話を進めなくてはなるまい。まどろっこしい説明は抜きにして端的に言ってしまえば、ただの「すっぱい葡萄」というやつである。人の集まる場所というのは…

「退屈しのぎにネコを殺してやる!」

新春映画スペシャル〝ハーシェル・ゴードン・ルイス上映会〟を開催中。 自宅で。DVDで。 本当はゴッドファーザー三部作を観る予定だったのだが、正月休みだし、アルコールに叩きのめされている脳ミソを稼働することなしに観られる映画がよかったので、狙った…

反現場主義宣言-はじめに-(1-①)

映画は映画館で観るべきである。音楽はライブハウスやコンサート会場で聴くべきである。鑑賞者たるもの、須らく、その作品の上映・上演されているもとへと、足を運んで、鑑賞すべきである。さもなくば、真の作品理解などが得られる筈もない。と、上のように…

ジャルジャルファンの自分は漫才を嫌いになってしまいそう

シュールレアリスティックだの、ミニマリスティックだなど、ついついそんな胡散臭い、こまっしゃくれた言い回しを使って讃えたくなってしまうジャルジャルのネタだが、所謂、お笑いの「ネタ」というものを一個の「作品」だとするのなら、ジャルジャルのネタ…

ブコウスキー:オールド・パンク 「作家は気づくのではなく、分かっているものさ」

ブコウスキー:オールド・パンク [DVD]出版社/メーカー: 日本コロムビア発売日: 2006/08/02メディア: DVD購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (23件) を見る三月末の文学新人賞に応募するため、日々せっせと原稿を執筆しているこの頃なのだが、時間…